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学術データ詳細
中学生の歯科口腔保健行動とセルフエスティーム および健康統制感の関連
著者名
川西順子 (Kawanishi junko )
共著者名
神光一郎
出版社/掲載誌名
口腔衛生学会雑誌
巻号
70
11–18
出版日
2020/1
キーワード
歯科口腔保健行動,セルフエスティーム,健康統制感,中学生
概要
「他律的健康づくり」から「自律的な健康づくり」への移行期である学齢期は,歯科口腔保健領域においても,自ら主体的に適切な予防行動を実践するスキルを身につける重要な時期である.一般に人々の健康行動を形成するには、その行動に関わる要因を明らかにし,その要因に対して適切な働きかけをする必要がある.そこで本研究は,中学生のための効果的な学校歯科保健教育プログラムを開発するために,歯科口腔保健行動と心理社会的要因であるセルフエスティーム(以下 SE)および健康統制感との関連について検討することを目的とした.平成 27 年に大阪府 S 市の中学校1 校に在籍する 3 年生を対象に調査した(分析対象者 152 名).調査項目は,歯磨き回数,主観的歯磨き行動「留意点」・「確認」,甘味食品・飲料の摂取回数,SE,健康統制感等であった.その結果,男子では,「確認」と内的統制との間に有意な正の相関が認められた.また,甘味食品摂取回数と内的統制との間に有意な関連が認められた.女子では,菓子を食べ続ける頻度と内的統制との間に有意な関連が認められた.また,主観的歯磨き行動および甘味飲料摂取回数と SE(家族)との間において統計学的に有意差は認められなかったものの,一定の傾向が認められた.以上のことから,中学生期において,SE 形成を促進する学校歯科保健教育の導入や健康統制傾向を考慮した介入の重要性が示唆された.