学術データベース
学術データ詳細
健常成人における口腔筋機能療法のポッピング訓練による 口腔機能改善に関する評価
著者名
川西順子 (Kawanishi junko )
共著者名
元根正晴
出版社/掲載誌名
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
巻号
 27
25–33
出版日
2023/4
キーワード
口腔筋機能療法(MFT)/ポッピング訓練/舌圧増加/咀嚼能力/オーラルディアドコキ ネシス(ODK)
概要
 【目的】口腔筋機能療法(以下,MFT)において舌を挙上させて舌背辺縁を口蓋周囲に密着させながら口を開け,ポンと音をたてるというポッピング訓練があるが,ポッピング訓練実施による舌圧の増加やそれに関連する口腔機能の改善についての有効性については明らかにされていない.本研究では,健常成人においてポッピング訓練と舌の口蓋への押し付け訓練による舌圧の増加等の口腔機能改善についての有効性を評価した. 【方法】健常成人24 名をポッピング訓練群と舌の口蓋への押し付け訓練群に無作為に振り分けた.30 回/1日,週5 日× 4 週間の訓練を行った.口腔湿潤度,舌圧,咀嚼能力,オーラルディアドコキネシス(以下,ODK)/pa/,/ta/,/ka/ について評価した. 【結果】舌圧,咀嚼能力,ODK /pa/,/ta/,/ka/ で両群共に訓練前後で有意な差がみられた(p<0.05).訓練前後の変化量の比較では,両群に有意な差はみられなかった. 【結論】MFT 訓練のひとつであるポッピング訓練は,舌の口蓋への押し付け訓練と同じく舌圧の増加のみならず,咀嚼能力およびODK の改善にも繋がることが示唆された.