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『白魔』試論
副題
役割演技の可能性
著者名
上村 幸弘 (UEMURA Yukihiro)
出版社/掲載誌名
龍谷大学大学院英語英米文学会『英語英米文学研究』
巻号
第16号
pp.1-26
出版日
1987/12
概要
ジャコビアン演劇の傑作、ジョン・ウェブスターの『白魔』において、女主人公Vittoriaは胸のうちをほとんど語らないまま潔く死を迎える。さらに彼女の行動の一つ一つにも動機らしいものが示されておらず、読者は最後まで彼女の意図が見い出せないまま無意味の中に放置される。筆者はVittoriaの動機のない行為をそのまま受容し、それぞれの行動を彼女の演技と見なすことによって、虚構の持つ力がいかにリアリズムを圧倒するかを分析した