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日本における「赤ずきん」の受容について
The Reception od Little Red Riding Hood in Japan
副題
―昭和期を中心に―
―Focusing on the Showa Era (1926-1988) ー
著者名
野口 芳子
(
NOGUCHI Yoshiko
)
出版社/掲載誌名
『梅花児童文学』
巻号
27号
頁
86-103
出版日
2019/6
キーワード
赤ずきん、日本での受容、昭和期 グリム ペロー
概要
昭和期に出版された日本語版「赤ずきん」138話を紹介し、改変に焦点を当てて考察した論文である。 昭和期を20年ごとに分けて、第1期(1926-1944)、第2期(1945-1966)、第3期(1967-1988)に分類して、 時代によって、社会によって、改変される事項を明かにしている。もっとも大幅な改変が行われたのは、 第2期である。太平洋戦争が終わり、残酷な体験をした人々は、「赤ずきん」から、残酷な場面を排除するようになる。祖母も娘も食べられず、狼も殺されない話が出現する。戦前の第1期は紙の配給制度により、本の出版数は極端に減るが、日独伊の三国同盟を意識してか、ドイツ語からの直訳や対訳本が目につく。高度経済成長期を迎えた第3期には、また時代を反映した絵本が出現する。「赤ずきん」本を調べることによって、改変箇所から時代の価値観や児童教育観を読み取る作業は。、非常にスリリングである。
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