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森鴎外『青年』論
副題
――“内なる自然”への回帰――
著者名
田中 裕之 (TANAKA Hiroyuki)
出版社/掲載誌名
梅花女子大学開学三十周年記念論文集
81ー98
出版日
1995/3
概要
『青年』の主人公が最後に到達する「伝説」書きの決意は、唐突・強引などと評されてきたが、彼には、上京直後から既に故郷的なものへの指向性が認められ、これが「利他的個人主義」社会への指向と重なるものとして設定されていたと考えられることから、「利他的個人主義」に係わる主人公の「伝説」書きの決意は、執筆開始時点で既に予定されていたものであり、作品は、主人公のいわば“内なる自然”への回帰を描いたものであることを論じた。