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梅花女子大学短期大学部生のストレス度と体への影響について
A study of stress and its influence on physical condition of BAIKA Junior College students.
副題
3.学年によるストレス度の変化について 3. A comparison between the first year and the second year students.
著者名
林 有希子 (HAYASHI Yukiko)
出版社/掲載誌名
梅花女子大学短期大学部研究紀要
巻号
60
pp.35-47
出版日
2012/3
概要
2010年度入学の梅花女子大学短期大学部生活科学科調理・製菓専攻生の学年によるストレス度の変化を調べるために、1年時と2年時のストレス度、ストレス耐性度、睡眠、免疫力(易感染性とアレルギー)、血圧、脈拍、体温を調べた。1年時のみ、または2年時のみ調査・測定を行った学生も含めた学生全体では、1年時に比べて2年時のほうが、ストレス度の増加傾向とストレス耐性度の減少傾向がみられた。睡眠時間は延長する傾向がみられたが、睡眠障害度はやや上昇した。血圧・脈拍・体温および易感染性に変化はみられなかった。一方、アレルギーを持つ学生の割合は2倍以上増加した。2年連続調査・測定を行った学生の結果は、全体の結果とは異なり、1年時よりも2年時の方が、ストレス度の減少傾向とストレス耐性度の増加傾向がみられた。睡眠時間は延長する傾向がみられ、睡眠障害度の上昇傾向は学生全体よりも小さかった。血圧・脈拍・体温の変化はみられなかったが、易感染性については減少傾向を示し、アレルギーの増加率は学生全体に比べて小さい傾向を示した。  2年時のストレスをさらに検討するために、心理的ストレス反応測定尺度に関する質問調査(SRS-18)、セルフ・エフィカシー(自己効力感)に関する質問調査(GSES)、ストレスの生理的評価法として唾液アミラーゼモニターによるアミラーゼ活性の測定を行った。これまで行ったストレス度チェックによる低ストレス群と高ストレス群でそれぞれの値を比較した結果、アミラーゼ活性については、低ストレス群と高ストレス群で全く差は認められなかった。一方、SRS-18では、高ストレス群で、低ストレス群よりも有意に高い値を示し、ストレス度とSRS-18得点との間に高い相関性が認められた。また、SRS-18の3つの下位尺度「抑うつ・不安」、「不機嫌・怒り」、「無気力」のうち、「不機嫌・怒り」の得点が、高ストレス群で低ストレス群に比べて有意に高いことが分かった。ストレス耐性度は、低ストレス群、高ストレス群で差が無く、高ストレス群においてもストレス耐性が十分有ることが示されたが、GSESでは、セルフ・エフィカシー(自己効力感)が低ストレス群、高ストレス群どちらも低く、特に、高ストレス群では非常に低いという結果が出た。