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学術データ詳細
自殺未遂後1年以上再企図せず経過した気分障害患者に影響を与えた要因
Factors That Influenced Mood Disorder Patients Who Have Not Contemplated Suicide Again More Than One Year After a Failed Attempt
著者名
西田 大介 (NISHIDA daisuke)
共著者名
甘佐 京子/牧野 耕次/小沢 佳奈
出版社/掲載誌名
日本精神保健看護学会誌
巻号
26(1)
20-30
出版日
2017/6
キーワード
自殺未遂/再企図/気分障害/自殺予防
概要
本研究は、再企図率が高い自殺未遂後1年以上再企図せずに経過した気分障害患者に、影響を与えた要因について明らかにすることを目的として、10名の参加者に1対1の半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析した。 その結果、18のカテゴリー、4の大カテゴリー<自殺未遂直後の支援><新たな生活習慣の獲得><新たな社会とのつながり><再企図を思いとどまる気持ち>が抽出された。 参加者は、自殺未遂直後から【専門職の支援】を受けながら【安心できる居場所】【趣味や役割の存在】を獲得し【負担感のない生活】ができていた。【周りの人への感謝の思い】や【迷惑をかけたくない思い】から、消え去ることの無い希死念慮を抱えながらも、周囲には隠し【今を生きていこうという思い】とともに<新たな社会とのつながり>を形成していた。死にたい気持ちを受け止め、生活に視点をおいた継続的な支援の必要性が示唆された。